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対戦車地雷(たいせんしゃじらい)は、主に戦車などの装甲戦闘車両を破壊する事を目的として使用される地雷である。 一般に、軍用車両は底部の装甲が最も薄いため、地雷による攻撃はかなり有効な手段となる。故に、5から10kg程度の火薬でトラックや装甲兵員輸送車等を十分に破壊することができ、軽戦車を横転させ、主力戦車に対しても履帯やサスペンションを破壊するなどの威力がある。 70kgから130kg以上の加重で起爆するようにされており、これは武器弾薬等を携帯した兵士が踏んでも起爆せず車両を攻撃する為である。磁気吸着式により、車両に吸着させるタイプや、有人管制により手動で起爆させるタイプもある。地雷除去を防ぎ、殺傷力を上げるために対人地雷とセットで埋設されることがある。人間が踏んでも起爆装置の中心点を踏めば起爆しないが少しでも中心点を外れた部分を踏めばテコの要領で起爆する重量に達してしまい起爆してしまう。そのため現在の陸上自衛隊での教育時にも対戦車地雷だからと言って踏んでも問題ないわけではないことを十分に教育している。 対戦車地雷に対抗する為には、車両の底部の装甲を厚くしたり、二重にする、車両床を高い位置にし爆風を逃がすV字型にする、装輪数を増やすなどの方法がある。 爆薬が不足している軍・武装勢力においては榴弾砲や迫撃砲の砲弾や航空爆弾を地面に埋め込み、対戦車地雷として利用した例がある。 第二次世界大戦中、FX の場合、兵士が地雷を背負って敵戦車の前に身投げしたり、タコツボ(一人用の壕)内で爆弾を抱えてうずくまり、敵の接近に合わせて信管を叩いて起爆させる「人間地雷」戦術を実行している。また、ソ連軍はエンジンをかけた自動車の下で餌を与えることにより、条件反射で自動車の下にもぐりこむように訓練した犬に爆薬をくくり付けてドイツ軍車両を破壊する地雷犬を実戦に投入している。さらに各国でも地雷を埋めておくのではなく、兵士が自陣を蹂躙する敵戦車の履帯前に投げ出す、棒の先に付けて突き出す、時限式信管を取り付け機関部やハッチ上に載せる等して破壊するという戦術も取られた。 パレスチナでは重装甲で知られるイスラエル国防軍のメルカバ Mk 3戦車を、遠隔操作により地中に埋めた手製の爆薬で、イラクでは対戦車地雷を積み重ねる事によりアメリカ軍のM1A2SEPエイブラムス戦車を、完全に撃破した。 対人地雷の一種 クレイモア地雷現在使われる主な対人地雷(たいじんじらい)には、踏みつけた人間の足を踝(くるぶし)から吹き飛ばす程度の威力をもった小型のもの、容器が二重になっていてワイヤーや踏圧その他で信管が作動すると内側の容器が1-2m程度の高さに打ち上げられて爆発し、内部の鋼球などを撒き散らして周囲数十mの敵を倒すことを狙った大型のもの(跳躍地雷)、信管が作動すると扇状の範囲に鋼球を撒き散らして殺傷する地上設置型のものなどがある。 炸裂した時、一定の方向に扇形に散弾を発射する性質(指向性)を持った地雷(クレイモア地雷など)を指向性対人地雷、または指向性散弾といい、危害範囲が非常に広いのが特徴である。これは地中に埋設するのではなく、付属した簡易な三脚や不動産 に載った形で地上に設置され、水平方向に散弾や弾片を射出する。また、張られたワイヤーに兵がひっかかることで作動するだけでなく、遠隔操作で任意のタイミングで炸裂させることもできる。これにより兵が密集していた場合、一度に10名以上が殺傷されることもある。 安価で数多く使われる小型のものは、敵兵を殺すことではなく、敵兵に重傷を負わせることにより戦闘不能にすることを目的としている。敵兵を1人戦死させれば、それは敵の兵力を1減らすことになる。しかし、敵兵1名に重傷を負わせれば、敵は重傷者を後送する兵・手当てする兵を確保せねばならず、前線の敵兵力を2名以上減らすことができる。 またこういった小型のものは空中投下して散布することが可能である。しかし正確な散布場所が分からなくなるので被害を出しやすい危険な方法である。広く流布した話に「小型地雷に子供の興味を引くぬいぐるみやおもちゃのようなものを取り付けてばら撒き、触れた子供の手足や生命を奪う」とするものがあるが事実として確認されていない[2]。 以上のように、対人地雷は敵味方・外為 を問わず被害を受ける危険があるため、厳格な運用が必要とされる。しかし紛争国では無計画に埋設された結果、除去困難に陥り戦後の紛争の後遺症として住民を苦しめ続ける例が見られる。そのため規制が議論されている。そのような観点からオタワ条約が発効した。ただ地雷に安全対策を施すのではなく、対人地雷そのものをなくそうという非現実的な内容だったため、主要な地雷輸出国が批准せず肝心の紛争地帯での地雷被害は減っていない。 戦場に於いて地雷原を突破する際には以下のような方法が取られる。 地雷処理用の専用機材を用いる もっとも望ましい方法であり、前述の地雷処理戦車や地雷処理用の機材(地雷原処理用のロケット弾発射機等)を使用する。以前は、戦車の前方方向に伸びた機材で対戦車地雷を捜索し爆破するスネークが使用されたこともある。また地雷の探知に第二次世界大戦から使用され始めた金属探知機を用いる方法もあるが、これは木製地雷等の金属の使用量が極めて少ないものに対しては効果を発揮できない。 地雷原に銃砲撃を加える 砲兵部隊の支援が受けられるならば、地雷原に砲弾を撃ち込み地雷を誘爆させるという方法もある。これは砲兵でなくとも、進撃する戦車自身が搭載砲で道路を射撃することもある。また露出している地雷に対しては遠距離から対物ライフル等で銃撃を加えることで安全に処理する。現在は大型の狙撃銃として知名度の高いバレットM82も元々は爆破物処理機材としてスウェーデン軍に採用されたのが始まりである。その他にも、エル・アラメインの戦いで、悪魔の園と言われた二重三重に埋めてあるドイツ軍の対戦車地雷をイギリス軍が砲撃を加えて爆破処理した例もある。 歩兵の一般装備を用いて地雷を処理する 上記のような方法が取れないとき、歩兵がスコップやナイフを用いて地中を探り、地雷を除去(単にマーキングだけに留めることもある)する。地雷は一定以上の圧力が加わらないと爆発しないので、ナイフ等でコツコツ叩く程度では安全である。 ただし地雷の中には除去する人物をも対象にしたものがあるので注意が必要である。例えば信管が複数存在する地雷や、ある一定の角度以上に傾けると爆発する地雷がある。また、そんな機能を備えていなくとも地雷を二重に設置し、下の地雷の信管を上の地雷に結ぶ・箱型地雷の蓋の下やクレイモア地雷の足に手榴弾を仕掛けるなど、除去しようとした人間が地雷を持ち上げれば仕掛けが爆発する、無力化しようとする人間を標的とした一種のブービートラップも存在する。 記のような「正攻法」ではなく、敵の捕虜や一般市民を背後から銃で脅し、部隊の先頭を歩かせるという方法がある。第二次世界大戦の東部戦線では独ソ両軍で見られた光景である。また人を使うのではなく動物を使う方法もあるが、こちらは成功しないことが多い(あらぬ方向に走っていく)。但しこれらの方法では重量の関係で対戦車地雷に対する効果は薄い。 無視する 悠長に地雷を処理していられる時間のない緊急時に於いては「踏んだら不運と諦めろ」という様に地雷の存在を無視して行動することもある。また、人命が軽視される、あるいはできうる体制下にあっては、「十個の地雷があっても、十一人の兵士がいれば必ず突破できる」という考え方がなされる場合もある。これは、ノルマンディー上陸作戦のオマハF地区での戦闘に例が見られる。