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「世論」も「輿論」もほぼ同じ意味を持つ熟語である。違いは輿論参照。
日本では戦後、当用漢字による漢字制限によって「世論」と「輿論」の選択の余地がなくなり、すべて「世論」と書かざるをえなくなった。また同時に「輿論」の「ヨロン」という読みに引きずられる形で「世論」に対しても「よロン」という湯桶読みが一般化した。
世論は多くの人々が共有する意見であり、社会の統合化の促進、支配者の統治の正当化のために世論は重要であると考えられている。特に現代の議会制民主主義に基づいた社会においては選挙を通じて世論が政治的支配の正当性を左右することになる。すなわち世論は政治的リーダーに対する国民の意思表示としての機能があると言える。しかし世論がどのような内容となっているのか、またそもそも世論といえるような共通意見が世間一般に存在するのか、を知るのは相当程度に困難なことであり、単なるマスメディアの意見、ないし願望が「世論」として紹介されることも多いし、またアナウンス効果による世論操作と言われることもある。
世論と対外政策形成過程の関係についてはカナダの国際政治学者ホルスティがいる。ホルスティは先進国における世論の形成者である国民を、国際問題に強い関心や知識・意見を持つ関心層、関心はあるが知識がないために政党やマスコミの意見を受け入れることで自らの意見を持つ中間層、知識がないため意見が持てない無関心層に分類し、政策形成の過程において関心層の影響力が大きいとした。一般的な国際関係理論ではこのように無知な大衆を軽視し、少数エリート集団が対外政策過程に影響しているように考える傾向が強い。現実主義的な世界観が国家を統一的な政治共同体として認識していることが関係しているため、内部的な意見対立を研究対象としない場合もある。
市民社会における世論の起源は、17世紀のイギリスに求められる。17世紀の半ば、清教徒革命から王政復古の時期にかけてロンドンなどで社交場としてのコーヒー・ハウスが何軒も開店した。コーヒー・ハウスは、封建的な身分の枠を超えて、自由な言論が交わされる場として、また噂や新聞を通じた情報収集の場として、世論形成に重要な役割を果たしたとされている。
フランスではカフェやサロンが、同様に自由な言論の場となった。当時のフランスは絶対王政下にあったが、こうしたカフェやサロンといった空間にまでは、なかなか王権の統制が及ばなかった。当時、王権神授説に立脚した絶対王政を批判したフランスの啓蒙思想家たちは、国家権力の源を神意以外のものに見出そうとしていた。そうした中、社会契約説に基づき、自由かつ平等な市民が主体となり構成する政府、国家という考えを提示するのである。そして、そうした政府、国家を支える論拠となるのが世論であった。
フランス革命の中で台頭したナポレオンは、ローマ教皇の戴冠ではなく国民投票を経て皇帝に就いた。戴冠式にローマ教皇が出席したものの、彼は自ら冠をかぶっている。これは、かつての王権神授説によらない形で政治指導者が決定されたことを象徴しているともいえる。
19世紀以降、各国とも国民国家の形成が最重要課題となった。すると、その過程で国民統合を推進するためにも、世論を無視して政治を行うことはもはや困難であった。こうして、政府、国家は世論を恐れるとともに、世論の懐柔を図るようになり、今日へと至っている。
民主主義国家の下では、政治家や企業、各種団体は常に世論の動向に注意を払う必要があり、世論はこれらと社会とを相互に結びつけるものであるとされている。これをノエル・ノイマンは「世論は社会的な皮膚である」と表した。
パワードスーツとは、SF作品などに登場し、人体に装着される電動アクチュエーターや人工筋肉などの動力を用いた、外骨格型または鎧型、あるいは衣服型の装置である。
日本語では直訳で強化服、半分だけ訳して強化スーツとも呼ばれているほか、ロボットスーツと呼ばれる物も存在する。医療・介護分野に於けるものは、パワーアシストスーツと呼称されることもある。また近年はマッスルスーツという呼称も普及してきている。
架空のものでは、登場作品によって色々な名称や作動方式・機能の付加が見られる。パワードスーツの登場するサイエンス・フィクション一覧を参照。
パワードスーツは人間の筋力を増強するため、「着用する」という形態で運用される機械装置である。一般的な建設機械などでは人間の力を超えて遥かに作業効率の良い装置も使われているが、パワードスーツは荷物の持ち運びや走る、跳ぶといった、一個人の人間としての動作を強化拡張する目的で使われる。
種類や用途によっても様々な呼び方が存在しており、その呼称は定まっていない。本稿では便宜的に一般名称として、もっとも初期からサイエンス・フィクション(SF)用語として使われた「パワードスーツ」を用いている。
現実の、
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としての利用を念頭に置いたものは、「人の力や仕事を補助する(助ける)」という意味でパワーアシスト(Power Assist)機器ないし装置等と呼ばれる。
1968年にはジェネラル・エレクトリック社が"Hardyman"を発表している。この装置は「外骨格(Exoskeleton)」と呼ばれるタイプのもので、人が装着しない状態でも自重を支えるフレーム構造を持ち、人間が装置に搭乗して操作する事で、その操作に従って仕事をするという発想である。 このようなタイプは人間が着るというよりも人間が乗り込む最小サイズの乗り物という発想に近い。
強化外骨格はこのHardymanのような装置全体で一つのシステムであり、人間は搭乗するような形のものを指す言葉である。しばしば人間が装着してその力を増幅させるパワードスーツそのものと混同される事もあるが、強化外骨格はパワードスーツの一形態に過ぎない。なお2006年現在で医療関連で開発・商品化が進められているパワーアシスト機器も、基本的には強化外骨格である。また強化外骨格は「外骨格」という言葉から甲殻類のように全体を被う鎧が付属しているとイメージされる事もあるが、装甲の有無は関係が無い。 このようなタイプは着るロボットという意味でウエアラブル・ロボット(Wearable robots)と呼ばれたりもする。
なお「パワードスーツ」という用語は、以下で述べるとおり一作品に登場したものが代名詞となり、フィクション・ノンフィクションを問わずこの手の機器の総称としてSFや娯楽作品を中心に便宜上使われている。「身に付けた機械装置で力を付与する」という古くからある概念であるため、平行進化の形で実用化の研究も進められている。
もともと「パワードスーツ」とは、ロバート・A・ハインラインのSF小説『宇宙の戦士』(1959年)に登場する、重装甲・重武装と倍力機能を持った架空の強化防護服の呼称だった。歩兵に「ゴリラも容易く倒せる怪力」と「戦車並の装甲」、「戦闘車両並の重武装」、「小型宇宙船並の環境適応力」、「戦闘ヘリ以上の機動力」を持たせることを目的とした装備である。着用した人間の動きをそのままフィードバックして動かせる「マスター・スレイブ方式」を採っており、これが搭乗・操縦型の人型兵器との決定的な違いとなっている。これは既に同じハインラインの小説「ウォルドゥ」(1942年)で固定式の遠隔操作型マニピュレータの操作方式として描かれており、こちらが元祖であるといわれる。これらは現実にはFFB(Force Feed Back)またはBFR(Bilateral Force Reflecting)方式と呼ばれる。
外見は、アバロンヒル社製のボード・ウォーゲームなどでは宇宙服を拡張したような形状となっていたが、日本では、ハヤカワ文庫版のイラスト(デザイン・宮武一貴 イラスト・加藤直之)で工業機械のような要素が取り入れられた姿となり、「
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ガンダム」に登場するモビルスーツのヒントとなった事などで知名度を高めた。
パワードスーツはその概念が広まるにつれ、さまざまな作品中において派生型を生んでおり、中には音声や思考による制御を部分的に行う物もある。なおサイバネティックスやサイボーグなど、肉体を直接改造する物、機械式動力サポートの無い物はパワードスーツの定義から外れる。
第二次大戦後、原子力の発展に伴い、放射性物質を扱ったり原子炉の故障を直すための移動可能なマニピュレータ(モビル・マニピュレータ)の開発が求められた。これは後に宇宙用・深海作業用に発展するもので、その多くは遠隔操作型でありパワードス−ツやパワーアシスト機器とは異なるものである。しかし、1961年に開発されたジェネラル・エレクトリック社製の"Beetle"は乗員が乗り込み操作する物で、ある程度パワードスーツ的な要素を持っていた。もっとも走行には無限軌道を用いており、また放射線を遮るための装備による重量過大で失敗に終わっている。このような分野では、日本においてテムザック製の実用型レスキューロボット「援竜」が
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されている。
外骨格型マニピュレータ"Hardyman"はパワーアシスト機器の元祖と言えるが、油圧アクチュエーターで駆動するという構想ではあったものの、当時の技術的な限界で実用には至っていない。なお1968年の試作型は概念説明用のモックアップ(実物大模型)とも言われ、1970年に完成したのは左腕と左脚のみだという。
A HAL 52000年代現在進行する少子高齢化や老老介護では介護市場の労働力不足も懸念されており、ベッドの移動などで要介護者を抱き上げるといった体力的負担も、家庭から病院での介護においての大きな課題となっている。
こういった問題の解決に於いて、パワードスーツないしパワーアシスト機器は重量物の運搬や介護現場で非力な介護者が要介護者を抱きかかえて運べるようにする[1]活躍が期待され、民生分野での開発がすすんだ。
近年では筋電位や神経電位の測定に関する、生化学などの分野で目覚しい発展が進んで
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などの実用例も登場している事から、四肢マヒや筋力低下で歩行困難な人が、自律歩行を行える様に成るというパワーアシスト型のロボットギプスの開発[2]・製品化[3]も進んでおり、将来的には車椅子利用者の大半が、自分で望むままに行動できるとする見解もある。
屋内向けが主眼に据えられた機器であるが実用化は2005年に始まっており、これを補助的に用いて登山を行った事例も報じられている[4]。
松下電器の社内ベンチャー企業アクティブリンク[5]は人体装着タイプのパワーアシストスーツを開発中である。片側まひ患者が、1人でもリハビリ訓練ができるようにする事が目的で、健常側の腕を動かすとセンサーが動きを計測、まひ側のスーツに取り付けられた人工筋肉が健常側と同じ動きを再現する仕組みを持っている。